【2016池田まき政経セミナー】報告 

掲載日:2016.11.24

「政治不信」を変える力は、市民の政治参加

2016年池田まきセミナー会場風景

 池田まきと私たちの政治をつくる会が主催する2016年池田まきセミナーが11月12日、北広島市で開催されました。
当日は、会場が一杯となる580名が参加し、「政治不信を考える~これからの政治・政党の役割~」をテーマに、市民の政治参加や野党共闘のあり方などについて講演及び会場とのディスカッションが行われ、大盛会のうちに終了しました。

戦争をさせない市民の会の山口たかさんが司会役となり、最初に民進党北海道第5区総支部代表代行の勝部賢志道議会議員が開会のあいさつをした後、第一部の講演に入りました。

 講演1は、「日本の政治不信を考える~これからの政治の役割~」と題して北大法学部の吉田徹教授が講演しました。吉田氏は「日本の政治不信は国際比較でも高いものがあり、自己決定と自己統治という民主主義の原則がむしばまれる状況が生まれている。民主主義を取り戻すには市民の政治参加を強める必要がある。」と語りました。
吉田徹教授の講演写真

 講演2は、「政党はどうあるべきか」と題して民進党国民運動局長の山尾しおり衆議院議員が講演しました。山尾氏は「政党は一定の勢力を保ち、福祉や社会保障など真に国民が求める政策を実行していくパワーが必要。経験に裏付けられた確固たる信念と、人を惹きつける魅力を備えた池田まきさんを是非とも国政に送り出して欲しい。」と熱く訴えました。
山尾しおり衆議院議員の講演写真

<会場とのディスカッション>
いのちが尊ばれ、安心して暮らせる社会の実現を

ディスカッションの様子

 第二部では、講演者と会場とのディスカッションが行われました。会場からは、障がいを持つ人から「福島原発事故と相模原の事件が忘れられない。障がいを持ったら殺される、存在すら抹殺される、という状況がある。だから地域に出て、地域の中で私たちがいることを伝えたい。私たちの存在を保障する政治、どんな命も尊ばれる政治を求めたい。」という、切実な意見が出されました。

 また、米国の大統領にトランプ氏が選ばれたことに関連して「社会への不信や不満、やりきれない思いが、首長や大統領など、近年の政治のリーダー選びに影響している。生活上の不安におびえている人たちが魅力を感じる政治とはどういうものなのか、教えてほしい」といった質問が出されました。

 続いて、5区補選から始まった野党共闘について「安倍政権の暴走を止めるためには野党共闘が必要不可欠。次期総選挙に向け、難しさもあろうが、是非とも野党共闘の実現を」といった意見が出されました。
こうした意見について、山尾氏は「社会保障や子育ての目的は、誰の命も尊ばれる社会をつくること、そのことを改めて肝に銘ずる。」「政治の信頼回復、それは国民が求める政治を実現すること。具体的には、やはり社会保障の充実、そして脱原発をめざすエネルギー政策だと思う。」「自民党が怖がっているのは野党共闘の実現に他ならない。野田幹事長にも進言する。」などとコメントしました。

 また、吉田氏は「日本は税を通じた再分配が全く機能しておらず、貧困率が下がらない。理不尽な社会ができている中で、制度づくりから変えていく必要がある。」「米国は労働生産性と所得が乖離し、働いても豊かにならない状態。中間層が初めて過半数を割る状況に陥る中で、自分たちを守ってくれない政治なんていらない、ということでトランプ氏が選択された。」「日本の一強多弱は、自民党の支持が高いというより、他に受け皿がないため。市民と共同しながら野党共闘をすすめ、足腰の強いものにしていくことが大事」とコメントしました。

<池田まきの決意と謝辞>
一人ひとりの繋がりから信頼を取り戻す

 セミナーの最後に登壇した池田まき氏は「今、日本は格差が大きくなり、世代間・世代内においても分断社会となってしまった。講演や会場発言にもあったように、社会保障や政治に対して、そして人に対しても信頼ができないという高度不信社会になっている。そういう社会で最も不信と不安に陥っている人、裏切られて、裏切られて、社会の片隅に追いやられ、うずくまってきた人たちに私は向き合ってきた。何があっても見捨てない、すべてまわりが敵だとしても私は信じる、その存在価値は等しく同じ命であるということをひたすらメッセージとして送り続けてきた。なぜなら、その「信頼」こそが次の一歩につながるということを実感しているからだ。今、市民の皆さんと一緒に看板立てや朝街宣、ビラ配りなどの活動をしながら、政治が、政党が、もう一度国民の信頼を取り戻すことはできると感じている。それは、イケマキを後援する市民が対話を通じてつながりをつくり、人と人、人と社会、人と政治への距離を縮め、信頼の輪を緩やかに広げてくださっているからだ。こうした対話を通じてのつながり、市民と政治を結びつける原点の活動に私自身も勇気とパワーをいただいている。私、池田まきは、これからも、誰一人おいてきぼりにしない社会、本当に安心できる社会の実現をめざして活動を続けていく。本日は本当にありがとうございました。」と決意を含めた謝辞を述べました。
池田まき氏の決意と謝辞の様子