» イケマキの思い②「福祉について」

 現場のソーシャルワーカーとして制度の壁に何度もぶつかってきたからこそ、「福祉には政治の力が必要だ」との意を強くしています。民主党政権が誕生した ときに、高校授業料無償化や母子加算の復活などが実現し、政権の役割や力はこんなに大きいのかと実感しました。現政権は住民税非課税世帯の高齢者に3万円 を支給するバラマキ政策を進める一方で、子育て世帯臨時特例給付金を廃止するなど、矛盾だらけの社会保障政策を進めており、逆に言えば政権の力でこの国が 危うくなることも事実です。
 安倍首相は1億総活躍社会などと言っていますが、今や非正規で働く人は全体の4割です。そうした状況にもかかわらず、労働者派遣法を改正し、低賃金で不 安定な派遣労働者を拡大させる改悪をしました。現在の行きすぎた新自由主義によって犠牲になるのが弱者という状況は、個人をないがしろにするものであり、 国の将来は決して明るいものにならないでしょう。
 ある人から「国政に社会福祉や社会保障を市民は求めていない」と言われたことがあります。私はこの発言にずっと違和感を持っていましたが、アジア太平洋 ソーシャルワーク世界会議に参加した際に、「人口・経済・政治」の分野で、福祉の果たす役割がとても大きいと再認識しました。テロや紛争の背景には貧困、 格差の問題があります。世界規模で地球温暖化、飢餓や難民の流入・流出が起きていますが、世界のソーシャルワーカーがこうした問題に関与していることを目 の当たりにしました。つまり、生活の部分に触れる案件があれば世界のソーシャルワーカーはどんな分野にも切り込んでいくのです。誰もが区別なく支えながら 生きていく支援を個人レベルで行っています。
 今、日本では助けを求める声をあげることができない人がたくさんいます。このような人を守るのも政治の役割です。1人を見捨てる政治では、1億人に活躍できる場を与えることはできません。