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    ☆特別インタビュー☆
     2016年4月衆院北海道5区補選では野党共闘が実現しただけでなく、老若男女、多くの市民からたくさんの支持が寄せられました。その中には、海外に留学していた大学生もいました。今回は、彼らが見た日本の政治をテーマに取り上げ、紹介します。
    (全5回+番外編の連載となります。内容は2016年11月にイケマキニュースvol.2として発行されたものになります。)
    『第二部』  選 択
    − 生活 −
    内田:ニューヨークにはたくさん公営の公園があるんだけど、昼間から日向ぼっこをしている人や、生でジャズの演奏をしている人がいたりと、日々時間に追われることなくゆったりと人生を楽しんでいる感じの人が多いかな。まさにEnjoy Lifeって感じです(笑)。その影響もあってか僕も日本にいたときよりも時間に追われる焦りも感じなくなったし、人と交流して過ごす時間をより重宝するようになった気がします。なんてゆうか、限られた時間しか地球上にいないわけで、精一杯その時間を楽しんだ者勝ち、って今は思っています。
    うみ:中学と高校を振り返っても、日本の学校はルールとかすごく厳しかったけど、ニュージーランドの学校はほんとうにリラックスしてました。上下関係がなく、教室も全学年が共有だったりとか、先生と生徒が友達みたいな関係のことが多かったり、授業も少人数でアットホームな感じでした。
    わこ:日本では髪の毛染めちゃいけないとか、アクセサリー禁止とかね。海外の学校じゃいろんな人種がいるし、ブロンド、赤毛、黒髪、巻き髪、直毛とか様々で宗教も違うと身につけるものも違うし、とても多様でした。だからそれが個性として自由に認められていて、厳しいルールを設ける意味がないんですよね。
    ヤス:フランスでは働いてる人も時間にすごい余裕があるんです。日本では就職したら、やりたいこともなかなかできないほどがんじがらめに社会人生活に縛られるけど、フランスは「世界でいちばんバカンスをとれる国」って呼ばれるぐらい仕事とプライベートの時間の確立がはっきりしています。だから仕事しててもたくさんの趣味を持ってるし、家族と年に一回は長期の海外旅行に行く人が多いし、国内でも別荘も安く買えちゃうようになってるんです。それを見てるとフランスではみんな何歳になっても楽しそうなんですよ。おじいちゃんおばあちゃんになっても、オシャレして恋愛を楽しむ余裕だってあります。
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    − ジャパン −
    うみ:ニュージーランドの子は、日本のアニメとか独特の文化に興味を持っている子がいるけど、その子たちにそれとは別に政治の話をすると、結構福島のことを覚えている人が多いです。日本好きの友達でも日本に対して批判もしたりしてました。今の原発事故の状況を伝えたりすると、「原発が収束してないのに被災者への補償が終わったとか、ましてや帰還を許すとかおかしい」って。
    わこ:私がホームステイしてた家庭は日本の食べ物の汚染を気にしてました。日本人よりもそういうところは敏感だったような気がする。放射能は大丈夫なのか聞かれることもよくありました。
    内田:アメリカ人は基本的に日本の政情とか知らないですよ。でも、フランス人ってアニメ好きだよね(笑)。
    ヤス:フランス人はほんとうに日本のアニメ好きが多い。今の若者は、小さいころから日本のアニメをテレビで見て育った世代なんですよね。ワーキングホリデーや留学で、日本に来る人もとても増えています。
    うみ:香港では、安倍首相が靖国神社に参拝しにいったことについて国で一時間ぐらいのニュース特番が組まれたらしいです。それで、私の香港人の友達がなんで靖国参拝がそんなに問題視されるのか聞いてきたことがあります。たぶんおなじアジアの国は日本と歴史を共有してるから、国民同士お互いの政治のことが自然と耳に入ってきますし、興味を持ちやすいのだと思います。
    内田:そうだね、アメリカでもアジア系の人だと結構日本の政治状況を知ってることは多いですね。かと言って、日本に対してあんまり批判的な人に出会うってわけでもないです。
    ヤス:僕は北アフリカに住んでいたこともあって、そこでは日本人だと言うと、いつも広島のことを聞かれました。世界大戦にあれだけ無残に敗北して広島に原発を落とされたのに、そこからここまで経済成長できたのはすごいって言われます。フランスでも、このあいだの熊本の地震のことはそこまで世界中で大々的に報道されたわけではないのに、、みんなすごく心配して、被災者のために募金活動を行っている人もたくさんいました。日本の原発のことも見てるし、なにかあれば結構心配してるみたいです。
    内田:フランスも原発大国だからやっぱり福島の事故が響いたんじゃない?
    ヤス:そうだね。だけどフランスは残念ながらほとんどの政党が原発推進派だし、まだまだ原発反対の声がとても小さい国ではあるんだけどね。

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    ☆特別インタビュー☆
     2016年4月衆院北海道5区補選では野党共闘が実現しただけでなく、老若男女、多くの市民からたくさんの支持が寄せられました。その中には、海外に留学していた大学生もいました。今回は、彼らが見た日本の政治をテーマに取り上げ、紹介します。
    (全5回+番外編の連載となります。内容は2016年11月にイケマキニュースvol.2として発行されたものになります。)
    『第一部』  理 解 ≠ 賛 同
    − きっかけ −
    内田:僕の場合は、大学院に行ってもまだ親のスネをかじっている状態は嫌だったから奨学金を借りたかったんです。でも日本だと大学院での奨学金制度が非常に限られていて、それに将来は企業で働く前提で大学院に行くのはつまんないと思っていました。そんなときに偶然にマサチューセッツ工科大学の卒業生と話す機会があって、アメリカだと博士課程は奨学金出るよ、しかも給付制の、と。今はその奨学金で自立した生計を立てている感じです。
    ヤス:僕は大学院での移民の研究のために、今年の夏までの2年間フランスに住んでいました。日本にはまだ移民・難民があまりいないけど、外国人労働者を雇用するって話がじわりじわり政策で進んでいるから、将来的にとても大切な話なんですよね。だから移民大国のフランスで、白人がほとんどいないような街に自ら住んでみて、いろいろ勉強になりました。そんな国だからいつもいろんなところで異文化のお祭りが開催されていますよ。例えば、中国の旧正月を祝う行事とか、イスラームの祝日とか、ユダヤのお祭りとか。日本にいたら触れることのなかったイベントに触れることもできました。
    うみ:海外の大学に行くとほんとうにいろんな人種の人と出会いますよね。私が日本を出たのは、福島第一原発事故から非難のためでした。2011年4月だったから14歳でした。そのときはそれ以外の選択がなかったという感じがしたけれど、自分で選んだ道でした。日本を外から冷静に見られるような場所にいたかったんです。それと自分の友達や家族がいつか日本にいられないって選択をしたときのための居場所を確保したいという思いが大きかったです。
    わこ:私もうみちゃんと同じ理由で日本の高校を自主退学してオーストラリアの高校に編入しました。海外へのあこがれってのも濃かったですけどね。でもなかなか友達にほんとうの留学理由は言えなかったです。
    内田:日本人はあまり政治の話をしないから、海外に行ってもなかなか自分からはそういうの話せないのが染みついてるような気がします。僕自身、政治の話をするのが好きだっていうのもあると思うんですけど、アメリカでは日常会話の中にぽんぽん政治の話は出てきますよ。
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    − 友達と政治 −
    内田:今だと大統領選の話がもっぱらですね。僕の周りで共通しているのは、ドナルド・ドランプは色々とヤバいし、ヒラリー・クリントンのほうがマシだよねって意見ですかね。でもヒラリーの利権重視の外交手法や、中東地域への空爆とイスラエルのパレスチナ政策を支持する彼女の姿勢を僕は容認できないから、「トランプには投票できない、けどヒラリーにも入れない」って友達に言います。これは自分の民主主義に対する考え方が影響しているわけだけど、俺は内田樹氏の民主主義に関する定義が好きなんですよね。「民主主義とは物事を効率よく決める制度ではない。民主主義の下では選挙結果は、“国民”の総意であった、したがってその帰結の責任を負うのも国民である。」と。つまり、ヒラリーに投票した結果彼女の軍事政策により諸外国で民間人を殺害された際、その究極的責任は国民が負う、ということです、これは日本の第2次世界大戦に対する戦争責任にも相通ずるものがあって、当時の大日本帝国の決断が国民の総意であった、従って今日になっても戦争犯罪の責任を負うのは国民であるわけです。
    わこ:日本でだと、政治の話をして相手と意見が違ったときいやな雰囲気になるけど、アメリカではどう?
    内田:いや、ならないよ。理解を示すのと賛同するのとは違うからさ。君の言い分は理解できるけど僕は賛同しないよってかんじですね。ここを分けて考えられないと議論が感情論になったりして日本の現状のように全く議論にならない。
    ヤス:そう言われると賛同はできなくとも理解はできるという道が日本にはないですね。
    わこ:だから日本で友達と政治や社会の話をしても会話が成り立たないんだね。言葉のキャッチボールがなくて、多くが「へえ」とか「よく考えてて凄いねぇ」とかで終わってしまう。会話が成り立つには自分の意見がないとダメなんですね。だから日本人がどれだけ政治に対して自分の意見を持っていないか、こういうときによく明確になって残念になります。自分たちの生きる社会のことなのにね。身近なことから政治と結びつけてもっと考えて、意見を持つことに自信を持ってほしいです。

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